試合序盤は、完全にターキーペースだった。前半3分にはNo8阿部が相手ゴール前のペナルティーからの速攻でトライを奪う。同12分には右ラインアウトから4フェーズを重ねて、左WTB太田がライン側を快走し、右隅にトライ。12対0とリードを広げた。
その後、ドクターズに1トライを返され12対5となった同17分には、キャプテンWTB西館が魅せた。左サイドのスクラムからNo8阿部のサイド攻撃を起点にBKがボールを回す。最後は、ライン際でボールを受けた西館が中央に切れ込んで右中間にトライ。コンバージョンも決まって19対5とした。だが、同21分にトライを献上。19対12となる。その後は両チームともに危ないシーンがありながらも一進一退の攻防となり、前半を7点リードで折り返す。
後半も開始はターキーペース。後半から入ったFL覚前が、いきなりキックオフでボールを奪うビッグプレー。左右に5フェーズを重ね、板倉からショートパス受けた深瀬が相手ラインの裏に出る。ドクターズがゴール前でたまらず犯したペナルティーを起点にターキーFWが攻め込み、最後はフィジカルSHの川上がFWばりの突進でトライをもぎ取る。コンバージョンも決まり、26対12と点差を広げた。
しかし、ここからは一転、ドクターズペースに。疲れの見えるターキーはFWの密集サイド、ディフェンスラインの崩れたBKラインの間を抜かれるシーンが続き、ゴール前にクギづけにされた。しばらくディフェンスは耐えたものの、後半13分にゴールラインを明け渡した。その後も、同17分、同24分と立て続けにトライを奪われ、26対29とついに逆転を許す。さらに、同27分にもトライを献上し、26対36とリードを10点差に広げられた。
残り8分。万事休すかと思われたが、ここからターキーは底力を発揮する。まず後半31分。自陣ゴール前の密集からこぼれたボールを奪ったターキーは、左に回し、WTB太田がハーフライン付近までビッグゲイン。その後、6フェーズを重ねて、最後はFB山崎がスルスルっと抜け出して右中間にトライ。コンバージョンも決まって、33対36と反撃ののろしを上げる。FL深瀬によるクライマックスは、その1分後のキックオフからの攻撃だった。
FWのディフェンスは、前回のAJJ戦に比べてだいぶ進歩した。だが、後半に疲れが見え始めると前に出られず、相手への圧力が弱まる課題が見えた。それでも、残り8分で10点差をつけられてもあきらめず、2トライを返して逆転できたことは大きな収穫だ。奪ったトライも、個人技に頼らず、きちんとフェーズを重ねたチーム全体による攻撃だったことは大きい。
乳飲み子を抱っこしながらビデオ撮影してくれたえみさん、ウォーター&メディカルで走り回ってくれたあきこさんの応援に後押しされた勝利だった。首都リーグ1部残留に向けて、まずは次の最終戦。みんなで守り、みんなで攻め、みんなで楽しむチームの結束力が問われる。
◆ 吉祥寺ワイルドターキーvs ドクターズ
〈前半〉19(3T2G0P) - 12(2T1G0 P)
〈後半〉21(3T3G0P -24(4T2G0P)
〈合計〉 40-36
◆MOM
吉祥寺:板倉将樹(SO)
ドクターズ:細井鴻之介(NO8)
◆ベストプレーヤー
吉祥寺:阿部浩基(NO8)
ドクターズ:木村大志(SO)
Reported by Fumi