東京都クラブ選手権第1戦、荒天の武蔵野ラガーズ戦で我慢の接戦(6-0)を制したターキーが爆発した。5月1日、稲城中央公園総合グラウンドで行われた第2戦。打って変わって初夏の太陽が照りつける暑さをものともせず、ターキーは城東ドンキーズに45-5で快勝した。
2年前のクラブ選手権では23-19と4点差の辛勝だった相手に、守ってはこの1年ほど準備を重ねてきた堅い防御網で1トライに抑え、アタックではSO板倉のキックを軸にバックス、フォワードが一体となって5本のトライを取り切った。目標とする東京都クラブ選手権のDiv.1昇格に向け、残りの試合に弾みがつく戦いだった。
城東ドンキーズのキックオフで始まった試合は、いきなりターキーのペナルティで自陣22メートルライン付近の相手ボールのラインアウトに。ラインアウトでも反則を重ね、試合はピリッとしない出だしとなった。
悪い雰囲気を吹っ飛ばしたのはターキーの誇るフロントローだ。相手ボールスクラムを押し込み、一気にターンオーバー。キックで相手陣深く入り込んだターキーは前半3分、ラインアウトモールを押し込んでキャプテンのNo.8桑原がトライ。5点を先制した。安定したスクラムを中心にしたセットプレーは、この試合で大きな攻撃起点となった。
その後、城東ドンキーズの猛攻に自陣で耐える時間が長く続いたものの、勝負所のジャッカルやラインアウトスティール、相手のミスを誘う防御で自陣を脱出。中盤で一進一退の攻防が続いた。
試合が動いたのは、前半24分。相手オフサイドで得た右中間のPGのチャンスをSO板倉が落ち着いて決め、スコアは8-0に。2分後には相手陣10メートル付近のラインアウトから右に展開、SOのショートパスを受けてディフェンスラインを突破したWTB山崎が中央にトライ。ゴールも決まって、15-0とリードを広げた。前半終了間際にもPGを追加し、18-0で試合を折り返した。
後半に入って、1分、7分とSO板倉が立て続けにPGを決め、24-0とセーフティーリードにすると、後半20分に相手陣右サイドで得たフリーキックでターキーはスクラムを選択。No.8のサイド攻撃を起点に左サイドに展開し、SOから7、FBと渡り、最後は左WTBの山崎が左コーナーを駆け抜けた。角度のあるコンバージョンも決まり、点差を31点に広げ、後半24分にもラックサイドから相手ディフェンスをかわしたSH常廣が左隅に飛び込み、38-0とした。
後半30分にゴール前のペナルティからドンキーズLOにトライを奪われ、完封こそ逃したものの、最後はラインアウトモールからNo.8桑原が、この日2つ目のトライ。45-5で勝利し、2連勝を果たした。
個々の走力やフィジカルの強さで勝る城東ドンキーズを、サイズの小さなターキーが組織ディフェンスで防ぎ切り、チャンスに確実にポイントすることでものにした勝利だった。
もちろん、前半に重ねてしまったペナルティ、FW周辺での孤立や集散の遅れなど課題は少なくない。ただ、効果的なダブルタックルや、アタックの連動性向上など明るい材料は多かった。久しぶりに本職CTBでスターターとなった山中がキレのある動きで相手を翻弄し、交代で入ったLO野村、CTB文弥のルーキープレーヤーたちが身体を張ったプレーで強さを見せたことも大きな収穫だ。前節の負傷で出場が心配されたWTB木山も元気にプレーする姿を見せた。
何より、強い日差しの中、プレーヤーを支え、声援をおくってくれたマネジメントスタッフの一体感は心強い。グラウンド内とスタッフが一つになって勝ち取った春の公式戦2勝目だ。
ターキーの次戦は5月29日、江戸川区臨海球技場で午前11時にキックオフ。首都リーグのライバル、富士クラブと東京都クラブ選手権のリーグ最終戦を戦う。
Repoted by Fumi